第2条(定義)
この法律において「国際航海船舶」とは、国際航海(一国の港と他の国の港との間の航海をいう。以下同じ。)に従事する次に掲げる船舶をいう。
1.日本船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶をいう。以下同じ。)であって、旅客船(十三人以上の旅客定員を有するものをいう。以下同じ。)又は総トン数が五百トン以上の旅客船以外のもの(漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項第一号に規定する漁船その他の国土交通省令で定める船舶を除く。)
2.日本船舶以外の船舶のうち、本邦の港(東京湾、伊勢湾(伊勢湾の湾口に接する海域及び三河湾を含む。)及び瀬戸内海その他の国土交通省令で定める海域(以下この号において「特定海域」という。)を含む。以下同じ。)にあり、又は本邦の港に入港(特定海域への入域を含む。以下同じ。)をしようとする船舶であって、旅客船又は総トン数が五百トン以上の旅客船以外のもの(専ら漁業に従事する船舶その他の国土交通省令で定める船舶を除く。)
②この法律において「国際港湾施設」とは、国際埠頭施設及び国際水域施設をいう。
③この法律において「国際埠頭施設」とは、国際航海船舶の係留の用に供する岸壁その他の係留施設(当該係留施設に附帯して、当該係留施設に係留される国際航海船舶に係る貨物の積込み若しくは取卸しのための荷さばきの用に供する施設又は当該係留施設に係留される国際航海船舶に係る旅客の乗船若しくは下船の用に供する施設がある場合には、これらの施設を含む。)をいう。
④この法律において「国際水域施設」とは、国際航海船舶の停泊の用に供する泊地その他の水域施設をいう。
⑤この法律において「危害行為」とは、船舶又は港湾施設を損壊する行為、船舶又は港湾施設に不法に爆発物を持ち込む行為その他の船舶又は港湾施設に対して行われる行為であって、船舶又は港湾施設の保安の確保に著しい支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定めるものをいう。
⑥この法律において「国際海上運送保安指標」とは、次条の規定により、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保のために必要な措置の程度を示すものとして設定される指標をいう。
第6条(船舶指標対応措置)
国際航海日本船舶の所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船舶指標対応措置(当該国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な制限区域の設定及び管理、当該国際航海日本船舶の周囲の監視、積荷及び船用品の管理その他の当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が設定する国際海上運送保安指標(当該国際海上運送保安指標が変更されたときは、その変更後のもの。第二十九条第一項及び第三十七条において同じ。)に対応して当該国際航海日本船舶の保安の確保のためにとるべき国土交通省令で定める措置をいう。以下同じ。)を実施しなければならない。
第7条(船舶保安統括書)
国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶に係る保安の確保に関する業務を統括管理させるため、当該国際航海日本船舶の乗組員以外の者であって、船舶の保安の確保に関する知識及び能力について国土交通省令で定める要件を備えるもののうちから、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安統括者を選任しなければならない。
②国際航海日本船舶の所有者は、前項に規定する船舶保安統括者(以下「船舶保安統括者」という。)を選任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
③船舶保安統括者は、誠実にその業務を遂行しなければならない。
④国土交通大臣は、船舶保安統括者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、国際航海日本船舶の所有者に対し、当該船舶保安統括者の解任を命ずることができる。
⑤この法律に定めるもののほか、船舶保安統括者の業務の範囲は、国土交通省令で定める。
第9条(操練)
国際航海日本船舶の所有者は、船長(船長以外の者が船長に代わってその職務を行うべきときは、その者。以下同じ。)に、国土交通省令で定めるところにより、当該国際航海日本船舶の乗組員について、船舶指標対応措置の実施を確保するために必要な操練(以下単に「操練」という。)を実施させなければならない。
②国際航海日本船舶の船舶保安統括者は、国土交通省令で定めるところにより、操練の実施に際し、船舶保安管理者その他の関係者との連絡及び調整を実施しなければならない。
第10条(船舶保安記録簿)
国際航海日本船舶の所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安記録簿を当該国際航海日本船舶内に備え付けなければならない。
②国際航海日本船舶の船舶保安管理者は、当該国際航海日本船舶について国土交通大臣が設定した国際海上運送保安指標の変更その他の国土交通省令で定める事由があったときは、その都度、国土交通省令で定めるところにより、前項に規定する船舶保安記録簿(以下「船舶保安記録簿」という。)への記載を行わなければならない。
③国際航海日本船舶の所有者は、船舶保安記録簿をその最後の記載をした日から三年間当該国際航海日本船舶内に保存しなければならない。
④前三項に定めるもののほか、船舶保安記録簿の様式その他船舶保安記録簿に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第11条(船舶保安規程)
国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶に係る船舶保安規程(当該国際航海日本船舶に係る船舶警報通報装置等の設置に関する事項、船舶指標対応措置の実施に関する事項、船舶保安統括者の選任に関する事項、船舶保安管理者の選任に関する事項、操練の実施に関する事項及び船舶保安記録簿の備付けに関する事項その他の当該国際航海日本船舶の保安の確保のために必要な国土交通省令で定める事項について記載した規程をいう。以下同じ。)を定め、国土交通省令で定めるところにより、これを当該国際航海日本船舶内に備え置かなければならない。
②国際航海日本船舶の所有者は、船舶保安規程に定められた事項を適確に実施しなければならない。
③国際航海日本船舶の船舶保安管理者は、船舶保安規程に定められた事項を、当該国際航海日本船舶の乗組員に周知させなければならない。
④船舶保安規程は、国土交通大臣の承認を受けなければ、その効力を生じない。その変更(操練の実施に際しての関係者との連絡及び調整に関する事項に係る変更その他の国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしたときも、同様とする。
⑤船舶保安規程の承認の申請書には、国際航海日本船舶の所有者が作成した船舶保安評価書(当該国際航海日本船舶について、その構造、設備等を勘案して、当該国際航海日本船舶に対して危害行為が行われた場合に当該国際航海日本船舶の保安の確保に及ぼし、又は及ぼすおそれがある支障の内容及びその程度について国土交通省令で定めるところによりあらかじめ評価を行った結果を記載した書面をいう。以下同じ。)を添付しなければならない。
⑥国土交通大臣は、船舶保安規程が当該国際航海日本船舶の保安の確保のために十分でないと認めるときは、第四項の承認をしてはならない。
⑦国際航海日本船舶の所有者は、第四項に規定する国土交通省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
⑧国土交通大臣は、国際航海日本船舶の保安の確保のために必要があると認めるときは、当該国際航海日本船舶の所有者に対し、船舶保安規程の変更を命ずることができる。
⑨国際航海日本船舶の所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船舶保安評価書を主たる事務所に備え置かなければならない。
第12条(定期検査)
国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶を初めて国際航海に従事させようとするときは、当該国際航海日本船舶に係る船舶警報通報装置等の設置、船舶指標対応措置の実施、船舶保安統括者の選任、船舶保安管理者の選任、操練の実施、船舶保安記録簿の備付け並びに船舶保安規程の備置き及びその適確な実施について国土交通大臣の行う定期検査を受けなければならない。次条第一項の船舶保安証書又は第十七条第二項の臨時船舶保安証書の交付を受けた国際航海日本船舶をその有効期間満了後も国際航海に従事させようとするときも、同様とする。
第13条(船舶保安証書)
国土交通大臣は、前条の検査の結果、当該国際航海日本船舶が次に掲げる要件を満たしていると認めるときは、当該国際航海日本船舶の所有者に対し、船舶保安証書を交付しなければならない。
1.当該国際航海日本船舶に、第五条第二項の技術上の基準に適合する船舶警報通報装置等が同条第一項の規定により設置されていること。
2.第六条の規定により船舶指標対応措置が実施されていること。
3.第七条第一項の規定により船舶保安統括者が選任されていること。
4.第八条第一項の規定により船舶保安管理者が選任されていること。
5.第九条第一項の規定により操練が実施されていること。
6.当該国際航海日本船舶内に、第十条第一項の規定により船舶保安記録簿が備え付けられていること。
7.当該国際航海日本船舶内に、第十一条第四項の承認を受けた船舶保安規程が同条第一項の規定により備え置かれていること。
8.前各号に掲げるもののほか、前号の船舶保安規程に定められた事項が適確に実施されていること。
②前項の船舶保安証書(以下「船舶保安証書」という。)の有効期間は、五年とする。ただし、その有効期間が満了するまでの間において、国土交通省令で定める事由により前条後段の検査を受けることができなかった国際航海日本船舶については、国土交通大臣は、当該事由に応じて三月を超えない範囲で国土交通省令で定める日までの間、その有効期間を延長することができる。
③前項ただし書に規定する事務は、外国にあっては、日本の領事官が行う。
④行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)に定めるもののほか、領事官の行う前項の事務に係る処分又はその不作為についての審査請求に関して必要な事項は、政令で定める。
⑤前条後段の検査の結果第一項の規定による船舶保安証書の交付を受けることができる国際航海日本船舶であって、国土交通省令で定める事由により従前の船舶保安証書の有効期間が満了するまでの間において当該検査に係る船舶保安証書の交付を受けることができなかったものについては、従前の船舶保安証書の有効期間は、第二項の規定にかかわらず、当該検査に係る船舶保安証書が交付される日又は従前の船舶保安証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して五月を経過する日のいずれか早い日までの期間とする。
⑥次に掲げる場合における船舶保安証書の有効期間は、第二項本文の規定にかかわらず、従前の船舶保安証書の有効期間(第二号及び第三号に掲げる場合にあっては、当初の有効期間)が満了する日の翌日から起算して五年を経過する日までの期間とする。
1.従前の船舶保安証書の有効期間が満了する日前三月以内に受けた前条後段の検査に係る船舶保安証書の交付を受けたとき。
2.第二項ただし書の規定により従前の船舶保安証書の有効期間が延長されたとき。
3.従前の船舶保安証書の有効期間について前項の規定の適用があったとき。
⑦第二項及び前二項の規定にかかわらず、国際航海日本船舶の所有者の変更があったときは、当該国際航海日本船舶に交付された船舶保安証書の有効期間は、その変更があった日に満了したものとみなす。
⑧第二項、第五項及び第六項の規定にかかわらず、第二十条第二項に規定する国際航海日本船舶がその船級の登録を抹消されたときは、当該国際航海日本船舶に交付された船舶保安証書の有効期間は、その抹消の日に満了したものとみなす。
⑨国土交通大臣は、船舶保安証書を交付する場合には、当該国際航海日本船舶の航行する海域その他の事項に関し必要な条件を付し、これを当該船舶保安証書に記載することができる。
⑩船舶保安証書の様式並びに交付、再交付及び書換えその他船舶保安証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第17条(臨時船舶保安証書)
国際航海日本船舶の所有者は、当該国際航海日本船舶について所有者の変更があったことその他の国土交通省令で定める事由により有効な船舶保安証書の交付を受けていない当該国際航海日本船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該国際航海日本船舶に係る船舶警報通報装置等の設置、船舶指標対応措置の実施、船舶保安統括者の選任、船舶保安管理者の選任、操練の実施、船舶保安記録簿の備付け並びに第十一条第四項の承認を受けるべき船舶保安規程の写しの備置き及びその適確な実施について国土交通大臣の行う臨時航行検査を受けなければならない。
②国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該国際航海日本船舶が次に掲げる要件を満たしていると認めるときは、当該国際航海日本船舶の所有者に対し、臨時船舶保安証書を交付しなければならない。
1.第十三条第一項第一号から第六号までに掲げる要件
2.当該国際航海日本船舶内に、第十一条第四項の承認を受けるべき船舶保安規程の写しが国土交通省令で定めるところにより備え置かれていること。
3.前二号に掲げるもののほか、前号の船舶保安規程の写しに定められた事項が適確に実施されていること。
③前項の臨時船舶保安証書(以下「臨時船舶保安証書」という。)の有効期間は、六月とする。ただし、その有効期間は、当該国際航海日本船舶の所有者が当該国際航海日本船舶について船舶保安証書の交付を受けたときは、満了したものとみなす。
④第十三条第七項から第十項までの規定は、臨時船舶保安証書について準用する。この場合において、同条第七項中「第二項及び前二項の」とあり、及び同条第八項中「第二項、第五項及び第六項の」とあるのは「第十七条第三項の」と、同項中「第二十条第二項」とあるのは「第二十条第三項」と読み替えるものとする。
第18条(国際航海日本船舶の航行)
国際航海日本船舶は、有効な船舶保安証書又は臨時船舶保安証書の交付を受けているものでなければ、国際航海に従事させてはならない。
②国際航海日本船舶は、船舶保安証書又は臨時船舶保安証書に記載された条件に従わなければ、国際航海に従事させてはならない。