民法

第5条(未成年者の法律行為)

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
②前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
③第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

第30条(失踪の宣告)

不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失そうの宣告をすることができる。
②戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争がんだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

第90条(公序良俗)

公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

第94条(虚偽表示)

相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
②前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

第95条(錯誤)

意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
1.意思表示に対応する意思を欠く錯誤
2.表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤
②前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
③錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、第一項の規定による意思表示の取消しをすることができない。
1.相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
2.相手方が表意者と同一の錯誤に陥っていたとき。
④第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。

第102条(代理人の行為能力)

制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。

第104条(任意代理人による復代理人の選任)

委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

第105条(法定代理人による復代理人の選任)

法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。

第117条(無権代理人の責任)

他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
②前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
1.他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
2.他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
3.他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。

第126条(取消権の期間の制限)

取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

第131条(既成条件)

条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
②条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
③前二項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第百二十八条及び第百二十九条の規定を準用する。

第145条(時効の援用)

時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

第178条(動産に関する物権の譲渡の対抗要件)

動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。

第186条(占有の態様等に関する推定)

占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
②前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。

第189条(善意の占有者による果実の取得等)

善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
②善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。

第192条(即時取得)

取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

第295条(留置権の内容)

他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。ただし、その債権が弁済期にないときは、この限りでない。
②前項の規定は、占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。

第360条(不動産質権の存続期間)

不動産質権の存続期間は、十年を超えることができない。設定行為でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、十年とする。
②不動産質権の設定は、更新することができる。ただし、その存続期間は、更新の時から十年を超えることができない。

第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲)

抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。

第371条(抵当権の効力の及ぶ範囲)

抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。

第373条(抵当権の順位)

同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。

第412条(履行期と履行遅延)

債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
②債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した後に履行の請求を受けた時又はその期限の到来したことを知った時のいずれか早い時から遅滞の責任を負う。
③債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。

第416条(損害賠償の範囲)

債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
②特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

第417条(損害賠償の方法)

損害賠償は、別段の意思表示がないときは、金銭をもってその額を定める。

第419条(金銭債務の特則)

金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。
②前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
③第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

第422条(損害賠償による代位)

債権者が、損害賠償として、その債権の目的である物又は権利の価額の全部の支払を受けたときは、債務者は、その物又は権利について当然に債権者に代位する。

第467条(債権の譲渡の対抗要件)

債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
②前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

第478条(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)

受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

第505条(相殺の要件等)

二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
②前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

第506条(相殺の方法及び効力)

相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
②前項の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる。

第536条(債務者の危険負担等)

当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
②債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

第562条(買主の追完請求権)

引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
②前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。

第605条(不動産賃貸借の抵抗力)

不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。

第606条(賃貸人による修繕等)

賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
②賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

第612条(貸借権の譲渡及び転貸の制限)

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
②賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
②期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
③六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

第649条(受任者による費用の前払請求)

委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならない。

第657条(寄託)

寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

第663条(寄託物の返還の時期)

当事者が寄託物の返還の時期を定めなかったときは、受寄者は、いつでもその返還をすることができる。
②返還の時期の定めがあるときは、受寄者は、やむを得ない事由がなければ、その期限前に返還をすることができない。

第667条(組合契約)

組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
②出資は、労務をその目的とすることができる。

第705条(債務の不存在を知ってした弁済)

債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。

第712条(責任能力)

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

第715条(使用者等の責任)

ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
②使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
③前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

第738条(成年被後見人の婚姻)

成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。

第761条(日常の家事に関する債務の連帯責任)

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

第896条(相続の一般的効力)

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

第920条(単純承認の効力)

相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

第979条(船舶遭難者の遺言)

船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。
②口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。
③前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。
④第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

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